※あくまで勉強会の報告書ですので,間違った解釈が含まれる可能性があります.また,形式は統一していないことをご承知おきください.内容に関するコメントなどは是非事務局までお願いいたします.

 

また、本報告書は基本的に「野田泰一・西川輝昭(編集:2005)国際動物命名規約第4版(日本語版)」と「大久保 憲秀 (2006) 『動物学名の仕組み 国際動物命名規約第4版の読み方』」を参照しています。その他の引用文献はページ末に付してあります.

2016年6月12-13日

第8回命名規約輪読会

田中 颯

 

45.6. 二語名の後に続く学名が亜種の階級か亜種よりも低い階級かの決定.

Aus bus cusがあるとする.

二語名Aus busの後に続くcusは亜種か?亜種よりも低い階級か?

※1 "abberration", "morph"に相当すればどの言語でも良い.

 

条46. 同位の原理

 

46.1. 種階級群名に適用する同位の原理の声明.

46.2. 担名タイプ.

種階級群内のタクソンに対して学名が設立された場合、

種階級群内(種と亜種)を上昇下降したとしても、担名タイプは変わらない(46.2.)

 

条47. 名義タイプタクソン

47.1. 定義.

47.2. 名義タイプ亜種の変更.

上記のケースにおいて、Aus bus bus (Ikeda, 2016)種という学名が不適格または無効であるならば、その異名の中で次に古い適格名によって置換しなくてはならない.つまり2016年の次に古い2000年に設立されたAus bus cus (Tokunaga, 2000)が名義タイプ亜種になる.

 

条48. 属の帰属の変更

 

種階級群は、異なる属名と結合するときはいつでも、必要ならば性語尾の変化をして、別の結合の一部になる(条34.2.).

条49. ご同定のために誤って適用された種階級群名の仕様

ご同定されたと考えられる種階級群名を、適格名として使用してはいけない.もし引用したければ、下記のような表示が必要(大久保、2006).

Author X(1910)がAus aus Author W, 1905と異なる種に対してご同定し、Aus mus Author W, 1905またはBus bus (Author W, 1905)のラベルを付けた場合、

Bus mus (non Author W, 1905 sensu Author X 1910)

Bus mus sensu Author X, 1910 non Author W, 1905

Bus mus sensu Author X, 1910

"Bus mus sensu (Author W, 1905)" misidentified by Author X, 1910

"Bus mus sensu (Author W, 1905)" in Author X, 1910

 

シノニムリストの作成時にお世話になる表記.※ sensu A → Aが意図する意味では~

"ただし、新しい名義属もしくは名義亜属タイプ種を固定するにあたって過去のご同定を濃いに使用する場合を除く"↓例(大久保).