※あくまで勉強会の報告書ですので,間違った解釈が含まれる可能性があります.また,形式は統一していないことをご承知おきください.内容に関するコメントなどは是非事務局までお願いいたします.

 

また、本報告書は基本的に「野田泰一・西川輝昭(編集:2005)国際動物命名規約第4版(日本語版)」と「大久保 憲秀 (2006) 『動物学名の仕組み 国際動物命名規約第4版の読み方』」を参照しています。その他の引用文献はページ末に付してあります.

 

 2013年6月9-10日

第5回命名規約輪読会

生野賢司

 

条 4 ~勧告 6A(動物の学名の語数)

◆一語名◆(種階級群よりも高位のタクソンの学名:属名,目名など)[条 4.1]※条1.2.2.から科階級群よりも高位のタクソンの学名も規制される

1つの単語で構成される学名.

例: 科 Ausidae

※Aは大文字

※科名はイタリックにはしない(付録B 一般勧告6(p. 110)参照)

 

◆二語名◆(種の学名)[条 5.1]

2 つの学名(属名+種小名)で構成される学名.

例: 種 Aus cus

Aは大文字、cは小文字

Ausは属名、cusは種小名

 

挿入名は,二語名の構成要素の 1 つとして数えない.[条 6]

例: 種 Aus (Bus) cus は二語名.

※「挿入名」は、亜属などの二語名以外の名前.ここでは、(Bus)が挿入名(亜属名)

Bは大文字にする

 

<二語名法の原理>

種の学名は2津の学名(属名+種小名;二語名)で構成される

 

◆三語名◆(亜種の学名)[条 5.2]

属名,種小名,および亜種小名を 1 つずつ結合させたもの.※厳密には 二語名+亜種小名

例: 亜種 Aus cus dus

dusは亜種小名、dは小文字

 

◆勧告 6A.◆ 勧告であるため、強制力はない

丸括弧で挟んで属名と種小名の間へ挿入してよい属階級群名は有効な亜属名のみ.

例: 種 Branchiostoma lanceolatum(ナメクジウオ)が以前は Amphioxusという属に含められていたということを示すための表記は例えば,

 

  1. Branchiostoma (Amphioxus) lanceolatum    ・・・✖(亜属と混同する)
  2. Branchiostoma lanceolatum[formerly in Amphioxus]” ・・・OK(後ろで角括弧に入れる)